ニヤつかずにはいられない、山口晃アート

エルメスさえも魅せられた、独特の世界観

ちょんまげ町人から女子高生まで集まる、『演説電柱』

 

『演説電柱』 2012年 個人蔵 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery
電柱に演説台がついている。「ご町内のみなさん、私は問いたい……」と、誰でも演説できる

いろいろな時代が交ざっているのは「演説電柱」も同じ。誰でも言いたいことが言える演説ブース付きの電柱の絵だが、ちょんまげの町人の隣にサラリーマン風の男性、セーラー服の女の子、袴姿の学生もいる。

「今でもパチンコ屋の横に1000年前のお寺があったり、20代の人の横に80代のおばあさんが立っていたりする。スパンを長くすると、途端に絵空事になりますけど、短いものは、始終周りで起こっているんです」。

山口さんは最初から時代を交ぜていたわけではなかった。以前、楼閣建築の絵を描いたとき、時代を層にしてみた。建物の下から飛鳥時代、白鳳、奈良、平安、鎌倉、室町、江戸と、古い順に積み重ねた。いろいろな時代があるから、人物も各時代の人を登場させたのが始まりだ。

そこには昔のものが淘汰されてしまう悲しさ、日本の文化の断絶に対する批評が含まれている。

「好きな髪型をずっとしていてもいいと思うけど、古いと言われてしまう。いつも世の中の一表面しか存在が許されなくて、新しい表面が現れると、前の面はどこかにいってしまう。いくつもの面があるほうが文化的に豊かというか、楽しそう」

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