海兵隊の沖縄駐留は、大幅に削減できる

マイク・モチヅキ教授が語る、沖縄基地問題

――沖縄の仲井眞知事の姿勢に何らかの変化はありますか。防衛省の一部の幹部は、仲井眞知事が自民党員であることから、辺野古案を受け入れるのではないかと見ています。

マイク・モチヅキ
ジョージ・ワシントン大学教授
ハーバード大学にて博士号取得。専門は日本政治および外交政策、日米関係、東アジア安全保障。ブルッキングス研究所シニア・フェロー、ランド研究所アジア太平洋政策センター共同部長などを歴任。2001年から2005年、ジョージ・ワシントン大学エリオットスクールのガストン・シガー記念センター所長。現在は、同センター日米関係部長を務め、また同センターの「アジア太平洋における記憶と和解」研究・政策プロジェクトの共同責任者も務める。

私は、仲井眞知事は安倍政権と良好な関係を維持しようとしていて、中央政府の構想を頭ごなしに拒絶することは、賢明にも控えているとみている。

しかし、だからと言って、知事に現時点で辺野古案を受け入れる覚悟がある、とは言えないと思う。知事は慎重な姿勢をとっていて、今回の合意の影響を受けることになる地域の人々がどう考えるかを見極める必要がある、と明言している。

――防衛省と官邸は、名護市議会で過半数を獲得することにより、(辺野古案に反対する)稲嶺進名護市長を打ち負かそうとしているように思えます。

名護市議会の過半数の支持獲得は、防衛省および官邸にとって大きな目標だ。しかしカギとなるのは、辺野古案に強く反対してきた稲嶺市長が2014年の市長選挙で再選されるかどうかだ。

――辺野古住民と、沖縄の他の地域の住民の間で、辺野古案に対する意見に違いはありますか。

辺野古湾に最も近い地域には、これまで巨額のカネが流れ込んできた。そのため、これらの地域では、普天間代替施設建設計画を支持する傾向がみられる。

一方で名護市の中でも辺野古湾から遠い地域では、計画に反対する傾向がみられる。そして沖縄県内のほかの地域では、辺野古案に対する人々の反対は、いまだにかなり根強い。

――安倍政権はこれらの問題にどう対処するのでしょうか。

安倍政権は、財政援助に加えて、開発に適した地域の米軍基地を将来的に閉鎖すると約束することで、保守派の県民の心をつかもうとしている。念頭に置いているのは、開発に前向きで、日米安全保障同盟を支持する傾向の強い人たちだ。

しかし残念なことに、今回の合意は断片的なアプローチをとる傾向がみられるため、こういった沖縄県民に大きな影響を与える可能性は低い。

次ページ2022年に返還される可能性は低い
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 就職四季報プラスワン
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT