「親のカネ」を把握していない人に訪れる不幸 元気なうちにちゃんと話して決めておこう

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ポイントは大きく分けて

① 預金口座
② 不動産
③ 保険
④ ローンや借金
⑤ 株券などの有価証券

 

です。使わないものは解約する。現金に換えていくなど、無駄を省くことが先決です。順にポイントを解説します。

どこの銀行にいくつの口座があるのか

① 預金口座を把握しておこう

まずは預金口座です。親世代は口座をたくさん開設している可能性が高い。眠った資産になるのを防げる親が元気なうちに、どの金融機関に口座があるかを把握しておきましょう。本人が認知症、もしくは亡くなると、調べるのが困難になります。

以前、親の死後に口座が凍結されてしまい、葬儀代をおろすことができなかったお客さまがいました。銀行などの金融機関では、故人の口座は相続関係が確定するまでは解約できない決まりになっています。一部の相続人が勝手に預金を引き出して、ほかの相続人の権利が侵害されるのを防ぐためです。

遺言書がない場合、相続人全員が話し合い「だれが相続するか」もしくは「だれが代表としていったん受け取るか」が決まれば解約できます。金融機関によって違いはありますが、手続に必要な主な書類は

・亡くなった人の、生まれてから死亡するまでの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍)
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の実印が押印された銀行所定の用紙(相続届)

 

です。これは非常に骨の折れる作業です。何せ「相続人全員分」です。前述のお客さまはとても誠実な方で、全員分の了承を得て、口座からおカネを引き出し、葬儀代を支払っていただきました。

かつては安易に口座の開設ができたので、複数の口座をもっている可能性があります。なかにはまったく使われず、眠った資産になっている口座もあるかもしれません。まずは、どこの銀行にいくつの口座があるのかをはっきりさせ、それぞれ記帳をしてもらい残高を明確にしておきましょう。そして必要な口座をしぼっていきます。そのためにも毎月、通帳記入する習慣をつけるとよいですね。

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