「親のカネ」を把握していない人に訪れる不幸 元気なうちにちゃんと話して決めておこう
② 不動産は共有名義や価格に注意
次に忘れてはいけないのが不動産です。不動産は資産価値が高いので、介護や医療で急におカネが必要になったときに助けとなります。
ただし親が元気なうちに、不動産の種類、所在、名義人について把握しておかないと、親の死後にトラブルになりやすいのも事実。とくに共有名義の不動産は要注意です。共有名義のまま次世代が相続すると、持ち分がどんどん細分化するおそれがあります。共有名義人の中に、面識のない人がいる場合などは、いざ売却したいときに売れないこともあり、非常にトラブルになりやすいので要注意です。縁もゆかりもない土地の山を所有していたなんていう話も聞きます。
また、不動産は遺産相続争いの火種になることも。親が生きているうちに、売って現金にして分けるのか、だれが相続するのかを決めておく必要があります。相続税がかからない総資産の最低額が5000万から3000万円に引き下がったため、想像以上に相続税がかかることもあります。不動産の価格をチェックして、相続前に節税対策も考えておきましょう。
無駄な出費を省く
③ 保険は整理しておこう
親の世代は保険会社にすすめられるままに、いろんな生命保険に加入していることが多く、内容を把握できていないことも。無駄な出費につながるので、一度、整理することをおすすめします。
・現状に合わない内容の保険は解約する(車に乗らないのに自動車保険に加入してい
るなど)
・受取人を"子ども"にしておく(亡くなった配偶者のままになっていることが多い)
「お父さんの保険、もっとお得な保険になるかもよ。一度相談してみない?」などと言って、いっしょにファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのも手です。老後の生活設計も見てもらうことができれば、一石二鳥です。
保険は病気になってしまうと、なかなか加入できません。元気なうちに、今の生活に合った保険に見直しましょう。家や土地を長男に相続させる代わりに、保険金の受取人を次男にするなど、相続と保険の受取人についてはセットで考えておくと良いでしょう。
④ 借金は連帯保証の有無を確認せよ
そして、親に借金やローンがあるかないかは、確認しておくべき重要なポイントです。借金があったら、どれくらいの返済額が残っているのか把握しておきましょう。負債を残して親が亡くなったとき、負の遺産を引き継ぐのは子どもだからです。
弁護士によると、負債がらみのトラブルは、高齢者が連帯保証人になったことで起きるケースが多いそうです。親族、友人、勤務先などから頼まれて、家族に内緒で連帯保証人になっていることがあります。親が亡くなったときには、連帯保証人になっていることがわからず、数年後に判明することも。
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