「こち亀」両津勘吉が40年愛され続けた理由 失敗にもめげない「超前向き思考」への愛着

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連載終了を惜しみ亀有公園の両さん銅像を訪れている人も多い(写真:日刊スポーツ/アフロ)

『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)の人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称「こち亀」が40年の歴史に幕を下ろしました。単行本は200巻にまで及び、JR亀有駅周辺は「こち亀」カラー一色。漫画の連載終了によってメディアをここまでにぎわせたのは、多くのファンに愛されてきた証拠ともといえるでしょう。

両さんのどんな失敗にもめげない「超ポジティブ思考」

国民的人気漫画となったその背景には、作者の秋本治さんが描いてきた主人公・両津勘吉(以下、両さん)という型破りな存在が欠かせなかったといえます。あくまで漫画のキャラクターですが、そこに投影されているのは1人の人間としての姿。いったい両さんのどこにこれだけ人を引きつける力があったのでしょうか。

私はひとえに、両さんがどんな失敗にもめげない「超ポジティブ思考」を持ったキャラクターであることにその理由があると思います。拙著『心のモヤモヤがスッと消える ひきずらない技術』では、こうした前向きな思考を「レジリエンス」というキーワードと共に解説しています。さっそくその人気の秘密を分析していきましょう。

まず、大前提として覚えておきたいのが、人は誰でも失敗や挫折を繰り返すということです。仕事上の失敗もあるでしょうし、受験に失敗したり、失恋したり、人から傷つけられたり、裏切られたり……。心が折れてしまうことなど数えたらキリがありません。

こんなとき、失敗をひきずってしまう人は、なかなか前に進みませんが、両さんのようにひきずらない人というのは、次々と課題に挑戦していきます。つらい経験やストレスを糧にして、教訓ある「良いひきずり」に変えていくのです。こうした「良いひきずり」に変えていく力を、心理学では「レジリエンス」と言います。心の「回復力」「柔軟性」「しなやかさ」とも言い、両さんはこの「レジリエンス」が人よりずば抜けて高いキャラクターとして親しまれているといえるのです。

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