ウォシュレット、独老舗と組み欧州攻める TOTO、初の相手先ブランドで供給
それもそのはず、ビクリーン(写真)の温水洗浄便座部分は、TOTOのウォシュレット技術を基に作られたものだからだ。展示パネルの一角には、ひっそりと“powered by TOTO”の表示も見える。
TOTOとV&B。欧州では競合関係にある両社の提携で生まれたのがビクリーンだ。V&BはTOTOから温水洗浄便座の機能部分を買い取り、同社の売れ筋シリーズの新商品として欧州向けに販売する。TOTOは自社ブランド製品の販売を従来どおり行う傍ら、同社としては初めて、相手先ブランド仕様で製品を供給する。
自社ブランドにこだわってきたTOTOにとっては大きな戦略転換であり、ひとつの懸けともいえる。
未成熟な温水洗浄便座市場を両社の提携で開拓
TOTOがV&Bと提携協議を始めたのは2年ほど前だ。まず昨年、V&B製品の北米市場での販売をTOTOが行う契約を結び、その後、TOTOが欧州向けに販売する洗面器の一部の製造をV&Bに委託。そこに今回の温水洗浄便座の提携が加わった。
会社の規模では、TOTOの売上高4500億円に対し、V&Bは900億円前後と、TOTOのほうが数倍大きいが、欧州市場でのシェアや知名度はV&Bのほうが圧倒的に上だ。
提携の狙いについてV&Bのフランク・ゴーリングCEOはこう語る。「両社は品質重視の姿勢を共有し、得意とする市場もTOTOがアジア・北米、V&Bが欧州と地域的にも補完関係にある。欧州のシャワートイレ(温水洗浄便座)市場は未成熟の段階だが、ライフスタイルブランドとしての高いデザイン力や安全面での信頼のあるV&Bと、技術的なリーダーであるTOTOが組むことで、この市場を発展させることができる」。
日本での普及率は他社品含め7割、欧州は…
日本の温水洗浄便座市場は、1980年にTOTOのウォシュレットが誕生してから大きく拡大。一般家庭での温水洗浄便座の普及率は、競合他社製品も含めて7割を超えている。
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