ウォシュレット、独老舗と組み欧州攻める TOTO、初の相手先ブランドで供給
日本では今や、家庭からオフィス、ホテルや百貨店など商業施設に至るまで、不可欠のインフラとなっている、トイレの温水洗浄便座。その有力メーカーであるTOTOが、温水洗浄便座の普及ではまだ後進地域といえる、欧州市場に乗り出す。
ウォシュレット技術を導入、「ビクリーン」が登場
TOTOは、国内外で「ウォシュレット」の名で製造販売している温水洗浄便座を、ドイツの衛生陶器大手、ビレロイ&ボッホ(V&B)に、OEM(相手先ブランド製造)で供給を始める。
V&Bはフランスとドイツにルーツを持ち、上場会社ながら創業家メンバーが今でも経営に携わる欧州の老舗企業。片やTOTOは欧州では後発ながら、中国を中心とするアジアや北米にも事業展開する世界的メーカーだ。これまで自社ブランドでの展開にこだわってきたTOTO。 OEMに踏み切った理由は何だろうか。
今年3月中旬、ドイツのフランクフルトで開催された世界最大級の住宅設備展示会、ISH(International Sanitary & Heating)。ここで初めてお目見えしたあるトイレが、現地の市場関係者の注目を集めた。製品名は「ViClean(ビクリーン)」。欧州で265年の歴史を誇る老舗陶器メーカー、V&Bが開発した初の温水洗浄便座付きトイレだ。今年後半の発売を予定している。
自社ブランド展開にこだわったTOTOが戦略転換
日本では高級洋食器ブランドとして知られるV&Bだが、欧州では屈指の衛生陶器ブランドでもある。その力を誇示するかのように、ISHでの同社の展示スペースは最大クラス(写真)。その一角に、四方を壁で囲んだビイクリーン専用の展示スペースが設けられた。
プロダクトデザイナー名を前面に出すなど外観は洗練されたデザインだが、コントロールパネルのボタンを押すとノズルが出て水が飛び出す機能や操作方法は、日本でおなじみのスタイル。
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