3位の豊田工業大学は、トヨタ自動車の社会貢献事業の一環として1981年に設立された。一般的な私立大の理工系学部より授業料が大幅に安いことなどから、優秀な学生が集まることが高就職率の一因。トヨタ自動車10人、アイシン精機7人など、地元の愛知の企業を中心に就職している。
国際教養大学の創立は2004年。1年次に留学生と一緒の寮生活を行い、全ての授業が英語で行われる。さらに海外留学が必須など、グローバル人材になるための環境が整っている。高校教諭の評価も高く、優秀な学生が入学する強みもある。世界に視線が向いている学生が多いこともあり、神戸製鋼所や日産自動車など、就職先にグローバル企業が多いことが特徴だ。
メガバンクや航空に強い女子大
ランキング中、有名企業400社への就職率が3割を超える大学は22校ある。その中には、東京女子大学(15位)、聖心女子大学(16位)、日本女子大学(19位)、学習院女子大学(20位)、白百合女子大学(22位)と、女子大が5校入っている。金融の採用者が増えたこともあり、3大メガバンクの就職者は、日本女子大学が101人、東京女子大学が76人と多数。航空会社の就職者が多いことも特徴で、全日空と日本航空の就職者の合計数は、日本女子大学が27人、東京女子大学が25人、白百合女子大学が24人となっている。この3大メガバンクと全日空、日本航空の就職者の合計が、卒業者数に占める割合を見ると、学習院女子大学が13.3%、聖心女子大学が12.4%、白百合女子大が12.2%、東京女子大学が10.2%、日本女子大学が8.2%となっている。これらの女子大に入学すれば、メガバンクや航空会社への就職が近づくということだ。
ここまで、有名企業に強い大学を見てきたが、実就職率が高い大学は多いとはいえない。ランキング中で20%を超えるのは50校に満たないのだ。採用において大学名は不問、とする有名企業は多いが、ランキングを見る限り、特定の難関大学に偏っていることは間違いない。さらに就活環境が好転しても、この傾向は変わらないのだろうか。
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