給料・大格差時代 賃上げ狂騒曲を尻目に給与の二極化が進む

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1990年代後半に崩れ始めたとされる、日本の大企業における年功序列の給与体系。リーマンンショックや大震災を経て、その解体はさらに加速している。かつて多くの日本企業では、正社員であれば定期昇給とベースアップで毎年着実に給与が上がった。これが完全に過去のものとなりつつある(図1)。

春闘では安倍晋三首相からの異例の要請もあり、「賃上げ相次ぐ」と報じられたが、その中身を見ると一時金での対応ばかりで、本来的な賃上げであるベアの獲得はごく少数だった。「賞与の満額回答なんて(労働組合員への)『お布施』みたいなもの。退職金や残業代の底上げにもならない。ベア獲得こそが『賃上げ』だ(図2)」と日本賃金研究センターの藤田征夫主席コンサルタントは語る。

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