給料・大格差時代 賃上げ狂騒曲を尻目に給与の二極化が進む
賞与と呼ぶにはあまりに小額……
賞与・一時金に至ってはさらに衝撃的な分析結果がある。「厚生年金事業年報」によれば、男性社員の10人に4人が賞与ゼロか年合計30万円以下だ(図5)。このデータを分析した北見式賃金研究所の北見昌朗所長は、30万円以下の賞与を「寸志程度」と表現する。賞与と呼ぶにはあまりにも少額すぎるというわけだ。「賞与額が年30万~90万円の中間層だった男性社員が、年30万円以下の寸志程度に転落した」(北見所長)。
女性社員に目を転じるとさらに厳しい。ほぼ3分の1が賞与ゼロ。2003年度と11年度を比べると、賞与ゼロの女性が激増する一方、男性とは逆に寸志程度が減っている。
北見所長によれば、これらの数字の変化からある夫婦像が浮かび上がる。リストラや倒産で夫が正社員から非正規に転落。年収激減を受けて、妻が派遣として働きに出る。派遣なので妻の賞与はゼロ、契約社員やパートになった夫の賞与は寸志程度。「そんなワーキングプア夫婦が増えているのではないか」(北見所長)。
一方で年200万円以上の賞与を受け取る男性社員の割合は、03年度と11年度との間で変化はない。一時金だけを見ても、給与格差は明らかに拡大しつつあるようだ。
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