「シェール革命」、石油メジャーはこう見る

仏トタルの探査・開発部門トップに聞く

――中国や豪州ではどうか。

中国では中国石油化工集団(シノペックグループ)と共同探査で合意している。現在、揚子江下流域でシェールガスの埋蔵量を共同で調査しており、この探査に成功すれば、開発のための長期的協定に関して両社間で交渉が行われることになっている。

豪州でも非在来型ガスを生産している。シェールガスもあるが、より大規模なのは、クイーンズランド州のコールシームガス(炭層メタン、またはコールベッドメタン)だ。このガスを原料とするLNGプロジェクトを推進しており、グラッドストーン港カーティス島で液化プラントを建設中である。

こうした国のシェールビジネスはすべて将来性が高いが、米国のように大規模な産業になるまでにはまだ時間がかかる。

長期のLNGプロジェクト着手には石油価格連動が必要

――天然ガスの価格は地域的な格差が拡大している。

米国ではガス価格が大幅に低下した。石油価格がガス価格を大幅に上回るという経済的な理由から、開発はシェールオイルへシフトしているが、シェールオイルに随伴してガスが生産されるため、ガス価格は低水準のままだ。

一方、アジアでは米国と同じ効果が表れるとは考えられない。なぜなら、アジアでは日本を含めてガス(LNG)に対する需要がかなり急ピッチで増大しているからだ。

天然ガスの市場は依然として米国、欧州、アジアの各地域で分断されている。アジアではガス需要が急増しており、供給拡大のための新たなプロジェクトが必要だ。そのため、アジアにおけるガスの国際価格は石油価格にリンクしたフォーミュラ(体系)が続くことになるだろう。私は、原油価格リンクの体系は新たなプロジェクトに着手するために不可欠だと考えている。

欧州におけるガス需要は、市場が成熟しているためアジアほど強くない。しかし、域内の供給余力の低下によって、ある程度の供給は必要だ。そのため、アジアのLNG市場と競合する。

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