イオン、産業再生機構への“恨み節" ダイエーを子会社化へ、会見詳細を全掲載
――業績が思わしくなかったダイエーの再生に取りかかるわけだが、魅力や可能性をどこに感じている?
イオンの岡田社長 ダイエーの経営資源や人材については再生機構時代に散逸したとはいえ、まだまだ商品についても営業についても力があると感じている。消費者のために共に苦労をしていく価値観についても、まったく同じだ。
両者はこれまでは競争相手でもあり、ダイエーにはリーディングカンパニーだったという誇りがあっただろうし、われわれにも誇りはあるが、交わっていくならば大きな効果が得られると期待している。
インフラについては、基本的に考えが同じ。ダイエーが持っている設備の中で、キャパシティに余裕があるものもある。私どもも必要になってきているキャパシティがある。短期間のうちにシナジーを出していけると思う。
「適正な人件費率にするのに時間はかからない」
――ダイエーは売上高の減るスピードが速く、販管比率が高い印象がある。何年度をメドに黒字化できるか?
イオンの岡田社長 具体的な計画はこれからだが、ダイエー側の話だと、社員の数、特に本部が非常に多いと聞いている。しかしながら、両社ともに現場第一主義の会社で、現場に人を移していく。一方でイオンは来年以降、かなり新店を計画している。出向してもらうなり、私どもの新店をやってもらうことになる。適正な人件費率にするのにそれほど時間はかからないとみている。
――小売業でかつて日本一だったダイエーを傘下に取り込むというのは象徴的なことだが、あらためて意味や意義について。圧倒的な規模をどうしていくか。
イオンの岡田社長 2つの質問について答えは同じ。消費者のために何ができるのか。ダイエーもずっと考えてきたこと。この2つが一緒になることで、さらに現実的に実行しやすくなる。規模が大きくなるからではなく、双方の考え方や志が同じだからということだ。食品を中心としたわれわれの業態は、現在、非常に厳しい。他業態との競争もある。今後の消費税引き上げ以降の国民生活を政治は考えていない。私どもがやらなければならないこと、やれることは非常にたくさんある。
――ダイエーは地方各地で店舗の老朽化が問題になっている。
イオンの岡田社長 リプレースのようなことは考えていかないといけない。個々の店はこれから。