イオン、産業再生機構への“恨み節" ダイエーを子会社化へ、会見詳細を全掲載
――イオンはダイエーにプライベートブランドの「トップバリュ」を供給しているが、販売額は限定的になっている。トップバリュを拡大するうえで、ダイエーのPBブランド「おいしくたべたい!」の位置づけは。
イオンの岡田社長 「トップバリュ」と「おいしくたべたい!」を両方持つ意味はほとんどない。ただし、ダイエーが開発した商品の中にイオンが持っていないものもある。それは吸収していきたい。
商品の仕入れ一本化するが、価格政策のためではない
――ダイエーとイオンはこれまで商品の仕入れは別だったのか。それを一本化するのか。
イオンの岡田社長 これまでは事実上、商品面でイオンのGMSとダイエーのGMSで一本化されていたということではない。今後、一本化はしていくが、すべて価格政策のためではない。
――イオンと丸紅は関東スーパー連合体を形成するということだが、どのようなイメージか。マルエツとの資本関係を見直す可能性は。
イオンの岡田社長 首都圏の食品スーパーをこれからどうするかについて、丸紅とイオンで見解を一にしている。かなり親しいが、これまでは実現できていなかった。今回のことをきっかけに、どのようなことができるかお互いに話し合っていく。具体的にいくつかの企業とそういう構想について、一般論としては賛成いただく企業は複数ある。
――丸紅は食品のリテール(小売り)から徐々に撤退の方向なのか。
丸紅の岡田大介常務 食品のリテールから撤退するつもりはない。丸紅は食品スーパー、マルエツの大株主であり、東武ストアにも出資している。ダイエーの再生を早めるにはイオンの力が必要ということで判断した。川上から川下までのバリューチェーンは大切。どれかの力を抜くということはない。
――丸紅はダイエーの筆頭株主になって7年が経つ。この間、財務はよくなったが営業面は改革が進まなかった。イオンの岡田社長から責任の所在が曖昧だったというコメントもあったが、本来、主導権を行使するはずの丸紅の問題の本質は。
丸紅の岡田常務 丸紅は筆頭株主という立場で、ダイエーを再生するのが大きな目的と考えている。丸紅の商品開発においてもダイエーが必要だった。その後、イオンにも加わってもらい、丸紅とイオンと二人三脚でやってきたが、結果として当初目指したカタチにはならなかった。われわれのリーダーシップがなかったともいえるかもしれない。今の状態は続けられない。ダイエーの業績が結果として表れている。