イオン、産業再生機構への“恨み節" ダイエーを子会社化へ、会見詳細を全掲載
ダイエーは3度の金融支援を経て、産業再生機構から支援を受けた後、2006年に丸紅が主導する格好で再建に入った。その後、イオンが07年にダイエーに資本参加。業務提携関係を築き、売上高6兆円を超える企業連合を形成したものの、イオンからみると持ち分法適用関連会社では、ダイエーの経営改革を積極的に主導することは難しかったようだ。ダイエーの業績は直近の2013年2月期まで5期連続で最終赤字を計上するなど苦戦している。
連結化によって、イオンはダイエーへの経営関与を強め、スケールメリットを生かした商品調達やインフラの効率化、ノウハウの共有などを進める。
同日、東京都内でイオン、ダイエー、丸紅の3社首脳が出席して記者会見が開かれた。印象的だったのは、イオンの岡田元也社長がダイエーをかつて支援した産業再生機構への“恨み節”とも取れる発言を繰り返したことだ。岡田社長は「短期的な効果を期待され、それを狙ったが、責任の所在があいまいだった」などと話した。
会見における3社首脳陣と報道陣とのすべての質疑応答を、以下に掲載する。
「マイカルの再生と大きく違う」
――ダイエーはマイカルの再生と比べ、産業再生機構を使ったスキームがうまく機能しなかったのか。
イオンの岡田社長 産業再生法と会社更正法については、大きな違いがあった。マイカルは2001年に会社更正法の適用を申請して4年後の05年12月には更生手続きが完了した。ダイエーとは、明らかに違いがあると感じざるをえない。ダイエーは産業再生法の申請からすでに10年が経過している。
マイカルは雇用の完全確保とともに、取引先についても、イオンが取引を保証するということで1社も切らずに一緒に再建に進んだ。ダイエーの初期の再建はいろいろところで問題があった。短期的な効果を期待され、それを狙うがゆえに、それを引き受けた丸紅、イオンにとっても負担になるようなことがあった。