フジは、なぜ「ネット炎上」の標的になるのか 「韓流ゴリ押し」はあり得ないのだが…
確かにデモが発生した当時、フジテレビには、月〜金曜の午後、「韓流α」という韓流ドラマの枠があったほか、「ミュージックフェア」などの音楽番組に東方神起、KARAなどのK−POPグループがたびたび出演するなど、「韓流」を売り出していたことは間違いない。また、「笑っていいとも!」のアンケートも、スタッフが韓流ブームに便乗し面白がって取り上げたのかも知れない。
「韓流ゴリ押し」はあり得ない
しかし、これらの放送内容は、ことさら韓流タレントやコンテンツを持ち上げているわけではないし、日本の社会、文化、歴史などに反感があるわけではない。韓流コンテンツが多いのは、テレビ不況により経費削減が叫ばれる中、(放送権を)比較的安く買うことができ、一定の視聴率が期待されているからである。つまりビジネスとしてコストパフォーマンスがよいから放送しているだけで、そのことは業界関係者にとっては常識だろう。フジテレビのアジア戦略の中で、韓流コンテンツを上手く利用したいという意図もあるかも知れないが、それとてベースには損得勘定がある。
フジテレビに、韓国に特別肩入れしたいという政治的思想や信条、イデオロギーがあるわけでは決してない。そもそもフジサンケイグループには保守的言論で知られている産経新聞があり、2016年4月には、衆議院議員補欠選挙の告示後にもかかわらず、バラエティ番組(「ワイドナショー」、熊本地震発生により放送は5月に延期)に安倍晋三首相を出演させようとするほど現政権をバックアップしているくらいだから、「韓流ゴリ押し」はあり得ないのである。
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