生命保険選びの基本は「入らないこと」である 自動車保険と同じスタンスで決めよう

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生命保険選びも自動車保険の加入法に倣うと、とても簡単になります。考え方は3点にまとめられます。

1.自力では対応不可能な事態のみ保険で備える

2.1に該当しないケースは、自費で賄う

3.貯蓄性を求めない

1は強く意識しなくてもわかることだと思います。重要なのは2です。出費が迫られる事態になった時、自分のおカネを出す限りコストがかからないからです。(仮にATM機の手数料がかかるとしても、家計に与える影響などを論じるレベルではないはずです)

1万円のうち2000~3000円が手数料に

しかし、保険の利用には保険料がかかります。保険料からは保険会社の運営費が引かれ、加入者に還元されるのは残りのおカネですから、加入者から見ると「トータルではマイナスの収支になる仕組み」です。

しかも、保険料から引かれる運営費の割合は、大半の商品で開示されていません。とても自慢できる水準ではないのでしょう。ライフネット生命は、商品別に保険料に見込みで含まれる保険会社の運営費の割合を開示していますが、おおむね20%弱から30%強といったところです。1万円を入金すると2000~3000円の手数料がかかるATM機というイメージです。

したがって、自分で出せる額のおカネについては保険で用意しないことにするのです。あくまで「金額の多寡」で判断するのがポイントです。よくある間違いは、「おカネの使途」で考えてしまうことです。

・世帯主が急死した時
・入院した時
・がんに罹った時
・病気やケガで長期間にわたり仕事に就けなくなった時
・要介護状態になった時
・退職後
・葬儀の時 

 

など、さまざまな状況によって、必要になるおカネのことを考えると、保険を「目的別」に利用することになりがちです。

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