女性が陥りがちな「遠回りの罠」 「総合職だけどいい人」を目指した、三菱商事時代

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入社4年目に、主計部連結チームに異動になりました。経理部門の総本山のような部署であり、非常に秩序立った保守的な部署。笑い話のようですが、本当に入社年次順にエレベーターに乗って、年次順に降りるような組織文化。超リベラルな部署から異動した私は、完全にアウェーであり、戸惑うことも多かったのですが、おそらくこちらが本来の三菱商事らしい部署だったのでしょう。

ここにはベテランの一般職の女性もたくさんいらして、その仕事ぶりは息をのむほど完璧でした。書類は手が切れそうなほど直角に積み上がってファイルされているし、私が「付箋なんか目印になればいいや」と適当に貼っていると、「なぜ2センチ目安で垂直に貼らないの?」と注意されます。

しかしながら、会社のお作法だけでなく、経理知識についても懇切丁寧に一から教えていただいたおかげで、徐々にいろいろなことができるようになりました。単体主義から連結決算重視に移行する時期であり、また時価会計の導入などの時期とも重なり、本当に多くのことを学ばせていただいたと思っています。

“女子第1号ハーバード”を狙う

やがて同じ主計部の中でIR(インベスター・リレーションズ)チームに異動になりました。海外の投資家からおカネを集めるための社長のスピーチ原稿を書いたり、会社を代表してアナリストの方々に財務状況を説明したり、全社的な仕事も増えてきました。

「私も会社のメカニズムが大所高所から見えるようになってきた」と勝手に思うようになった私が、MBAを取得するための海外留学を希望するようになったのは自然な流れでした。「留学したらみんなからすごいと思われるだろうな」という不純な動機もありましたが、「一度会社や日本の外に出て、世界でも一流といわれるところで自分がどれくらいやれるのか、試してみたい」と思ったのも本当です。

社費で留学するには社内の試験に合格する必要がありましたが、受ければ一発で合格するだろうと思っていました。「女子第1号でハーバードとか行けるのではないか?」とうぬぼれていたら、1回目はダメ。「若いと受からないのかな」と思って次の年は受けずにいたら、1歳下の親友女子が先に合格。その次の年に受けたらまた不合格。いつもテストの点数ではなく、最終面接で落とされてしまうのです。

ということは、「こいつを行かせたら、たぶんすぐ辞めて投資銀行あたりに転職してしまうだろう」と、会社に思われていたということでしょう。圧倒的に社内における信頼貯金が不足していた、ということではないかと思います。そうこうしているうちに後輩女子2人も留学が決まり、少々焦り始めたところ、4度目の挑戦で社内試験に初めて合格することができました。

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