近ツー、「元サヤ」戦略で消費バブル取り込む

別れたクラブツーリズムと再統合の真相

再統合で自己資本比率が大きく改善

しかし、旅行各社間の価格競争に加え、リーマンショック後の旅行需要の落ち込みもあり、07年度からは3期連続で最終赤字を記録。利益剰余金のマイナスが続いていた。

それでも、統合直前期となったKNTの前12年12月期は、売り上げに相当する営業収益が590億円(前期比4.4%増)、営業利益23.4億円(同107.0%増)とまずまずだった。

海外旅行は年初からの円高を受けて順調に推移し、終盤は尖閣諸島問題や竹島問題で中国・韓国向けが停滞したものの、全体では増加基調を維持した。国内旅行も、前11年度にあった東日本大震災後のレジャー自粛といった悪影響が消えて回復。震災後、緊急避難的に圧縮していた人件費や広告宣伝費の復元増をこなし、営業利益は倍以上に膨らんだ。

決算書類から「重要事象」消える効果も

こうした事業環境の中、KNTにとって今回のクラブツーリズムとの統合はどのような効果をもたらすのか。

まず大きいのは、企業の財務体質の状況を表すバランスシートが改善することだ。KNTの昨年12月末の自己資本比率は6.4%だったのが、今13年度中には17.0%まで向上する見込みだ。

このため、KNTの前期の第3四半期(12年1~9月期)まで決算短信に記載されていた「継続企業の前提に関する重要事象等」の記述が本決算から姿を消した。

「重要事象」とは、業績不振や財務・資金的な問題などから、企業の継続性に不確実さがある場合に、一定のルールに基づいて決算短信等の決算書類に記載されるリスク情報をいう。

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