近ツー、「元サヤ」戦略で消費バブル取り込む 別れたクラブツーリズムと再統合の真相

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KNTの場合、純資産が脆弱な状況にあることなどが、「重要事象」の理由となっていたが、その記載が今年2月に発表された前年度の本決算の決算短信から消えた。3月下旬に提出される同本決算の有価証券報告書でも「重要事象」の記述がなくなる見通しだ。

クラブツーリズム上乗せで営業利益ほぼ倍に

再統合後は、持ち株会社(KNT-CTホールディングス)の傘下に団体旅行(近畿日本ツーリスト)、個人旅行(近畿日本ツーリスト個人旅行)、クラブツーリズムの3社をぶら下げる。個々の得意事業に専門特化する一方、横断的なシナジー効果も追求する。クラブツーリズムの会員向けノウハウを、近畿日本ツーリストが営む国際会議や研修など法人の団体旅行にも生かしていく。

会社側が発表した今13年度(13年1~12月)の業績見通しは、売上高が4650億円、営業利益が44億円。統合前のKNTの売上高(12年度)である590億円に比べ、一気にハネ上がったようにも見える。

これは経営統合効果というより、前期までの営業収益(同社に実際に入ってくる手数料など純額表示)から、売上高(ホテル代や航空運賃なども含めた旅行商品そのものの総額表示)に計上基準を変更したため。

ただ、実態ベースでも収入環境は悪くない。13年度は前12年度より3連休が増加することもあり、会社側では団体旅行、個人旅行、そして会員制のシニア旅行とも漸増を想定している。

経営統合に合わせて店舗従業員の研修を強化するなど経費も増加するが、クラブツーリズム統合による収益底上げがそれを上回る。クラブツーリズムののれん代償却費用(計30億円程度を5年間均等償却)を加味しても、営業利益は統合前の倍近くに拡大する見込みだ。

KNT-CTホールディングスが前期決算に合わせて2月に発表した中期経営計画では、参考値としながらも、2017年度の売上高5000億円、営業利益85億円を目標に掲げている。財務体質改善と相まって、新たな成長路線が構築できれば、06年度以来となる復配も現実味を帯びてくるだろう。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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