”株高”は消費につながるのか? アベノミクスで活況、動き出した高額消費

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新政権発足から2カ月余り、積極的な金融緩和と財政政策を打ち出し、株高をもたらしたアベノミクス効果が消費にも回り始めた。

「株式関連セミナーの出席者が以前の3倍になった」。ある大手証券関係者はほおが緩む。株価上昇の起点となった昨年11月中旬以降、日経平均株価は3割強の上昇率。保有株式の値上がりで豊かになった個人投資家や富裕層が消費の牽引役となっている。

中程度の高額消費が主役

1月の百貨店業界売上高は既存店ベースで0・2%増、なかでも美術・宝飾・貴金属など高額品が6・8%増と大幅増となった。大丸松坂屋百貨店では2月に入っても好調が持続し、婦人用の靴やバッグを中心に欧米系の高級ブランドが26日までで前年同期比25%増で推移している(基幹10店ベース)。「ルイ・ヴィトン」や「プラダ」といった超有名ブランドが好調のようだ。

「ロレックス」など40万~50万円台の腕時計の伸びが目立つのは日本橋三越本店。高級時計は1月が30%増、2月も2ケタ増に近いという。「時計好きの人や日本橋本店の主要顧客層である60~70歳代の方だけでなく、これまで時計を購入してこなかった人、また40歳代の方の購入など、顧客層に広がりが出てきている」(三越伊勢丹)。

このほか大丸東京店では、1台30万~40万円のドイツ製カメラ「ライカ」の売れ行きが好調という。

高額消費の代表格、自動車はどうか。「年明け以降、登録車も売れるようになってきた」と語るのは、ホンダカーズ東京中央・西新井店の大垣賢一店長だ。ホンダは軽自動車の新型車を投入したこともあって、11~12月は販売の6割を軽自動車が占めるまでになったが、年が明けてからはミニバンの「ステップワゴン・スパーダ」が急に売れるようになったという。300万円の車体に大画面ナビなどのオプションを50万円ほど付けた350万円ほどのものが売れている。登録車の比率は7割程度に回復し、「来店客数も増え、お客さんとの会話でも暗い話題はなくなった」と大垣店長は言う。

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