責任ある立場として意識するようになった2つ目は「健康でなくてはいけない」ことです。これも当たり前に聞こえるかもしれませんが、言い換えると、仕事よりも体を大事にすることが合理的であると強く自覚する必要があります。
私の場合、少し長めに会津を不在にすると、稟議が恐ろしくたまっています。処理できないと自分がボトルネックになって、物事によっては立ち往生することもあります。
取締役会は最優先で時間を空け、休むことは基本的にありえません。特に自分の上げた議題があるときは、病気になってもはってでも行かざるをえません。労使協議会や、自治体の首長との会合などもそうです。長い目で見れば自分の代わりなどいくらでも利きますが、その瞬間での代わりは利きません。
休めないということは、要するに健康である状態を維持しなくてはいけないということです。
健康を維持することが大事だとすると、生活の優先順位もおのずと変わってきます。
たとえばきちんと睡眠時間を取ろうとか、きちんと決まった時間に夕食を食べようとか、朝食は食欲がなくても食べておこうとか、その手の生活態度・生活習慣が変わります。そこで犠牲になるのは仕事(の効率)です。先送りできる自分の仕事は多少融通を利かせたり、無理が利きそうだと思ってもスケジュールを保守的にしたり、といった行動に出ます。
今私は12時前後に寝て6時台に起きています。多少オーバーに言うと、以前の就寝時間が起床時間です。とても健康的な生活になりました。
責任がある人は、過剰なくらい潔癖に
次は少し視点を変えて、「責任ある立場」が独り歩きし、誤解されがちな局面についても言及しておきます。
友人や知人からの引き合いや、そこからの紹介から始まる営業活動などで、具体的な商談を行うことがあります。見積もりをするに当たり価格について話していると、先方からバス料金を安くできないか、という流れになることがあります。その中には暗黙の期待があります。「責任ある立場なのだから少しは融通が利くだろう」と。
私が思うに、責任者として立場や権限があるから、「知人や友人に対して」自社の商品やサービスを安く使ったり提供したりできるというのは、すべて逆です。立場や権限があるからこそ、自分や周辺に対しては過剰なくらい潔癖である必要があると思います。そういう行動こそ、周囲から間違いなく見られているのです。
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