過去2回のコラムでは、農業と観光のポテンシャルの高さについて述べましたが、今回は、医療をとりあげます。日本を成長へと導く3つめの産業として、医療をあげたいと思います。目下、日本では新しい医療技術がたくさん普及しようとしています。
世界の最先端を行く日本の医療技術
その1つが、がん細胞のDNAを破壊する放射線治療です。がん細胞をピンポイントで狙い撃ちできるわけではありませんが、陽子線や重粒子線などの放射線は、エックス線やガンマ線と比べれば、がん細胞周辺の正常な細胞を傷めるリスクが少なく、高い治癒率を挙げています。
ただし、診察料だけは保険が適用されますが、治療費は保険の適用外のため250~300万円と高額になってしまいます。それゆえ保険適用を望む声が強いのは理解できますが、日本の厳しい保険財政を考えると、すべてを保険適用にするのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
新しい医療技術としては、がんの陽子線治療や重粒子線治療のほかにも、高度な内視鏡手術や免疫療法、遺伝子治療や再生治療など数多くの技術が成果を上げています。さらには、最先端の医療器械としては、体に負担をかけずに済むガンマナイフや、患部だけを切りとれるITナイフなどがあり、また、医療ロボットも実用化に向けての研究が進んでいます。
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