前回のコラムでは、農業のポテンシャルの高さについて述べましたが、今回は、観光の驚くべき成長性について書きたいと思います。
日本の観光資源は馬鹿にできない
2010年の国際観光収入ランキングを見ると、上位は米国、スペイン、フランス、中国、イタリアと続きます。日本は、というと、同じアジアの香港やタイ、マレーシア、シンガポールにも及ばず、GDPが世界3位の割には19位と下位に甘んじています。
また、国際観光収入がGDPに占める割合を見ても、香港やマレーシアは10%近い水準であるのに対して、日本はわずか0.5%にも満たない低水準にあります。2010年は東日本大震災の前年で、日本を訪れる外国人が過去最高となる861万人を記録した年だったにもかかわらず、これらの結果は日本の国際観光収入がいかに少ないかを認識させるには十分でした。
しかしながら、農業と同じように逆張り的な見方をすれば、日本の観光産業はまだまだ発展の余地が大きいと言えるでしょう。日本が観光立国を目指す意味は大きいと思われます。なぜなら、多くの外国人を日本国内へと呼び込むことで、観光という内需産業を外需産業へと転換させることができるからです。そして、日本はその可能性を十分に持っているのです。
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