「叩き上げ」人気も、ひさしからず?
物語の中に登場するキャラクターにも、流行はあるようです。たとえば近年の漫画では、努力型の主人公が、もはや主流ではなくなってしまいました。
銀の匙をくわえて生まれ、天性の才能にも恵まれたエリート。そしてどん底から努力で這い上がってきた叩き上げ。
日本の物語では長らく、後者の「叩き上げ」が主人公に選ばれてきました。
古典的作品でいうと、たとえば『巨人の星』の主人公は、大リーグボール養成ギプス装着など、壮絶な特訓を経て成長する星飛雄馬。そのライバルが花形モーターズ御曹司、花形満でした。
『あしたのジョー』でも主人公の矢吹丈は環境に恵まれないまま、白木財閥の後援を受ける力石徹と戦います。
『タイガーマスク』の主人公、伊達直人は孤児でしたし、『侍ジャイアンツ』の番場蛮は、あえて下積みから這い上がる道を選んだ男でした。
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