『風の谷のナウシカ』はアメコミ?漫画?

漫画の国の独自進化とグローバル社会の相互刺激

「文法」として、漫画のコマ割りを見てみると。

著者:堀田純司(作家) (撮影:今井康一)

日本の漫画には、日本で独自に発達した文法がやはりあり、プロ・アマ問わず漫画を描く人はもはやそれを自然に体得していて、意識することなく使っている。

たとえば、漫画では同一見開き内では同じ場面を描き原則としては変えたくない。

最初のコマは「店の中」、次は「歩道を歩いている」、その次では「高速道路で銃撃」などといった展開は採らず、場面を変えるとすれば、なるべくページ単位で変えるようにする。

これが伝統的なアメリカンコミックだとコマごとにそれぞれ情景を切り取っていて、次々と場面が変化していきます。

余談ですが、アニメーターで映画監督の宮崎駿さんは『風の谷のナウシカ』の漫画も手掛けられています。それを拝読するとコマ割りはアメコミ型に近い。映像畑の人が漫画を描くと、自然とこうした演出になるようです。

ちなみに手塚治虫さんの初期の作品を見ると、やはりアメコミ型の演出を行っていて、「日本型の文法がいきなり成立していたわけではない。映画やコミックの影響を受けつつ工夫するうちに生まれていった」という経緯がわかります。

次ページ新たな「伝統」はどこから生まれるのか?
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