3.11から見る日本政治の限界

元マッキンゼー・現職政策担当秘書が斬る!

「東京原発」を再評価せよ!

2004年公開の映画「東京原発」では、役所広司が演じる東京都知事が東京に原発を誘致しようと提唱する。物語内では、原発の危険性や行政の無責任な態度をユーモラスに描いているが、今こそ「東京原発」を実際に公言してみてはどうか。

東京に原発が来れば、東京人がエネルギー政策を「他人事」から「自分事」化するようになる。最も電力を浪費しているのは東京都民だ。おそらくは、投票行動も変わる。

また、原発の安全基準などにも厳しい目を注ぐだろう。中立的な機関として国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)が、昨年7月に発表した報告書には、7つの提言が明記されているが、目を通した有権者は何人いるだろうか。2月28日の安倍晋三総理の施政方針演説では、明確に「再稼働」が宣言された。自分の目の前に原発を持ち込まれてもなお、人々は「再稼働」か「廃止」かという他人事のような二元論を続けるのだろうか。

そして、原発行政・電力会社を信用できない人は、東京を去るだろう。そのことで地方に人が流れる。教育制度を充実させ、大規模農業などの自立経済を築くことで、地方を活性化する。国は、地方をもっと信頼すべきだ。永田町や霞が関が、北海道から沖縄まで、地方の実情をすべて把握することは不可能だ。できないことをできないと言い、できる人に任せるのもリーダーの役割であり、プロの姿だ。

このままでは、次の参院選でも、誰を選んでいいのか、わからない状況が続いてしまう。そもそも、参議院議員は「代議士」とは呼ばないが、国会議員は皆、リーダーシップを持ったプロの「代議士」に変わるべきだ。哀しいかな、リーダーシップ、プロフェッショナルという言葉がカタカナでしかないことが、これらの能力が日本由来のものでないことを物語っている。

2年前の事故を決して忘れてはいけない。

本当の「復興」とは、決して被災地・福島だけの問題ではないのだ。

(写真は、2011年3月28日宮城県にて筆者撮影)

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