英語が話せないと、「真の日本人」になれない 一人娘をインターナショナルスクールに入れた理由

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さて、前回の第1回目の記事で私は、「人類の歴史上、最も世界が狭くなったグローバル時代に、この4つの要素を欠いていたら、どうやって自分の人生を切り開けるのだろうか?」と書き、真の日本人に必要な4つの要素を、次のように挙げてみた。

1、日本に対する健全な愛国心、郷土愛

2、日本の歴史、文化に対する知識・理解

3、異文化に対する知識・理解

4、世界標準語(英語)を話せること

この4番目に挙げた「英語を話せること」の評判がすごく悪い。どうして、「英語を話せないと真の日本人になれないのか?」と、徹底して批判された。これに対する私の答えは、「昔ならそれでもいいが、今後はそうはいかないでしょう」だ。

アジア中の人間が、今後、英語を話すようになる。すると、彼らは自国と自国文化を英語でアピールする。いちばん自己主張が強い中国人にそれをされたら、日本人はどうするのか? これから先は、日本人が日本人であるために英語を話さなければいけない時代なのだ。それができないと、日本人以外の誰も、あなたを日本人と認めてくれないだろう。

「おしっこがしたい」を英語で何と言うか

それにしても、なぜここまで経済衰退をしながら、日本人はかたくなにグローバル化を拒否し、英語も不要だと思い込んでいるのだろうか? 小学校から大学まで英語の授業があるのに話せないという「成果ゼロ教育」を改めないのだろうか?

国際化、グローバル化、第二の開国など、どれもこれもスローガンだけで、やろうとしないのだろうか?

娘をインターに入れることが決まったとき、私は入園前に少しは英語を教えておかなければと思い、さて、何を教えるべきかと悩んだ。そこで、アメリカ暮らしをしてきた友人に聞くと、「3歳でしょ。それなら、やはりピーピーだね」と言う。「何、そのピーピーは?」と首をかしげると、「おしっこのことだよ。これを知らないとお漏らししてしまう。トイレに行けないだろ。だから、これがいちばん重要だと思うね」。

このとき初めて、私はおしっこを幼児英語で「pee-pee」ということを知った。したがって、「おしっこがしたい」「トイレに行きたい」は、文にすると、「I wanna make a pee-pee.」だ。娘が生まれて初めて覚えた英語はこれである。それを思うと、日本の英語の教科書がいまだに「I am a boy.」や「This is a pen.」で始まっていることが、何か根本的に間違っているのではと思う。

娘をインターに入れた後、「なぜ、インターに入れたんですか?」と、よく聞かれた。それで、大抵は「これからは国際化の時代ですから」と答えていた。実際、私はそう思っていて、当時の雑誌のインタビューにもそう答えている。

今、読み返すと、本当にイヤミで、ぶん殴りたくなるが、当時の私はこのようなことを平気で言っていた。

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