伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている 親の姿勢が子どもに伝播するという真実

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子育ては一大事業です。人ひとりを、時間をかけて育てていくことは、本当に大変なことです。忙しく、時間的ゆとりがない生活の中で「『ワクワクした気持ちで』『自ら学習していく』なんととんでもない!」と思われるかもしれません。しかし、そのような状況をいったん横において見つめなおしてみましょう。「自分がワクワクできることは何なのか?学びたい!知りたい!やりたい!と思うことは何なのか?」ということを親自身が考える必要があるのです。

ある保護者とのやり取り

私が以前、面談をした溝上さんというお母さんとのやりとりをご覧ください。

溝上さん:「私は、勉強というのは、好奇心を持って取り組んでいくことが大切と思っていますが、うちの子はなかなかそれがわからないようで、勉強しません」
:「そうですよね。勉強に限らず、何でも好奇心が原動力になりますね」
溝上さん:「その好奇心、どのように持たせていったらよいのでしょうか」
:「ところで、お母さんは勉強について学生時代いかがでしたか?成績が良かったかどうかではなくて、好奇心を持っておられたかという意味なんですが」
溝上さん:「比較的真面目にはやっていたと思いますが、好奇心はあまり持ってはいなかったですね~」
:「今はいかがですか?英数国といった勉強ではなくて、何か好奇心を持って学ばれていることはありますか?」
溝上さん:「いえ、特にありません。私は仕事を持っているので、子育て、家事もありそれどころではなくて……」
:「そうですよね。余裕はないですよね。しかしですね、重要な事実があるんです。それは、親の思考や思い、さらに好奇心が子どもにコピーされるというものなんです」
溝上さん:「……(唖然としている。驚きと共に沈黙)」
:「好奇心が人々の行動を促しているのですが、大人になると日々の忙しさの中でくたびれて、好奇心が封印されしまうことも多いですよね。ですから、溝上さんも、ワクワクすること、学びたいこと、知りたいことをやってみてはいかがでしょうか?」

 

何も数学や英語の勉強を親がもう一度する必要はないでしょう。そうではなくて、親が好奇心を持てることに対して「学ぶ姿勢」を日々の生活の中で表現できているかどうかということが重要なのです。

親の興味関心と子どものそれが異なることは当然のことです。ですから親が関心を示したことに子どもが関心を示す必要は必ずしもありません(ただ、同じ場合も結構多いですが)。

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