しかし、親が示す“好奇心”そのものの影響を子どもは受けるようになっていくのです。ここが重要な部分です。もう一度いいます。
「親の持つ“好奇心”そのものが子どもに伝播する」
ということです。
私はいつも口癖のように
「日々、楽しんでしまおう」
「一見つまらなくみえるものを、面白くしてしまおう」
と言っていますが、要するに、「好奇心」という原動力を動かすがためなのです。これが動きだすと、山根さんに挙げていただいた、博物館や美術館、ワークショップや図書館、偉人の伝記など、これらの活動がすべて生きてきます。
そしてその過程の中で、山根さんが心配されている、「単純作業的な勉強には飽き、学校での授業や学問全般を軽く見てしまい……」ということもなくなります。なぜなら、好奇心によって知的作業や知的内容に興味を持つと、その手段としての「書き取りや計算」が必要だということを実感するようになるからです。
もう少しわかりやすく説明しましょう。
こうすれば好循環が生まれる
確かに書き取り、単純計算は、それだけではつまらないものです。理由は簡単です。日々の生活とリンクしていないからです。しかし、例えば子どもがお菓子作りに興味をもった場合、作り方が書いてある文章を読むには「字」が読める必要があり、分量を知るには「数字」が必要になりますね。
「好奇心」→「興味関心分野」→それに達するための「読み書き計算といった“道具”」
という流れができるのです。
そして、読み書きや計算の練習をするにつれて、自分がワクワクすることや知りたいことを、もっと知ることができるという手応えが出てきます。こうして、
「読み書き計算といった“道具”」→「興味関心分野」→「好奇心」
というサイクルが生まれ、さらに好奇心が強化されていきます。
もちろん、この通りに全てうまくいくとは限りません。人には多様な個性がありますから、単純にこの仕組み通りにはいかないこともあります。しかし、大きく捉えてみると、私のこれまでの経験からは、このような構造になっていることが多いと感じています。
これを機会に、お母さん自身が自らを振り返って、自分がワクワクすることは何なのかということを見つけてみて、お母さんの好奇心を輝かせてみてはいかがでしょうか。
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