田中:最後に、今後のお話を伺いたいと思います。私はこの人生で成しえたいことは、世の中にインパクトを与えることです。「買ってから選べる。」通販サイトとして、誰でも靴をネットで買えるようにするというのも大きなインパクトだと信じていますし、ベンチャー産業に対してもインパクトを与えたいと思っています。
為末:どういうことですか?
田中:アメリカと日本を比べたときに、いろいろと問題があるにせよ、アメリカの経済力はまだまだ強くて、日本は停滞しています。経済=幸福ではないですが、経済の停滞が生活を圧迫しているのは否めません。
その経済停滞の要因のひとつに、間違いなくベンチャー産業の存在があると思うんです。アメリカのベンチャー産業は日本の何倍もの規模があって、かつ、新陳代謝も激しい。その背景には、起業家の多さがあります。特に、いわゆるいい大学に行った人たちが、就職ではなく起業という道を選ぶ。フェイスブックもマイクロソフトもそうです。これらの人材に対し、ベンチャーキャピタルのリスクマネーが投じられ、さらに産業は大きくなる。質と量、両面で「ヒト」に支えられているのがアメリカのベンチャー産業の強さだと思います。
為末:はい、はい。
田中:一方、日本はそもそも起業する人が少ないことは否めません。特に、いい大学に行った人はいい会社に勤める、勤めなきゃいけないというような空気があります。言い方は悪いですが、ちょっとドロップアップした人が起業するみたいなイメージがある。
私はこれを変えたいんです。起業という道をメジャーにし、リスクマネー投資も活性化させ、ベンチャー産業、そして経済全体を活性化させたい。まだまだ駆け出しの身ですが、それを成し遂げたいと思っています。
為末:なるほど。
田中:為末さんは今後の人生で何を成し遂げたいですか?
為末:僕は、手段は何でもいいんですけど、みんなをビックリさせたいですね。メダルを取ったときにもビックリしてくれましたが、みんなが「ええっ!」と驚くようなことを起こす、もしくは起こすことに自分がかかわっていきたいです。どんなかたちかはわからないですけど、世の中にやっぱりインパクトを与えたい。
本当はスポーツの世界をスパッと切って、新しい世界に行くのがカッコいいとも思ったんですが、どうも自分の資産はスポーツにあるので、これを捨てるのがもったいない気もしてきて(笑)。何かしらスポーツにつながるもので、日本の社会や、できれば日本の外にも波及するようなインパクトが出せたらいいですね。
田中:楽しみにしています。
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