為末:もうひとつの質問は、個人的なことなんですけど。もし田中さんが今の僕の立場だったら、これから何をされますか?
田中:えっ?!
為末:僕、いろんな人に聞いて、いい人生にしようと思ってるんです(笑)。少なくとも、この3年ぐらいは人の意見に乗っかっていこうかと。
田中:いや、為末さん、すでに為末大学とか、ツイッターとか、本とか、面白いことをたくさんされているので。あと何でしょうね、やるとしたら……。
もう単純に私の興味の世界かもしれないですけど、やっぱりスポーツで培った資産や知名度、実績を生かして、会社を作って何かやりたいですね。
為末:うん、うん。
田中:すごく矮小なモデルで言うと、商品を作るのでもいいし。
為末:今、考えているモデルがあるんです。一流のスポーツ選手が食べていく方法って、肖像を売って商品を広めるというやり方がほとんどなんですが、実力は一流でも知名度は二流の選手ってたくさんいるんですよ。たとえば10秒0の選手の肖像は売れるけど、10秒2の選手は厳しいとか。
でも、この0.2秒の差って、一般の人にとってはほとんど変わらなかったりする。その人たちがサプリメントを開発する企業と組んで、自分で実際にサプリを飲んでデータを取るとか。
学生のスポーツ選手も1000人以上いるんです。その人たちに商品のサンプルをバーッと配って、意見やアドバイスを聞くとか。
そういう情報が欲しい企業がもしあるのであれば、つなげるような会社が作れないかなあって、ぼんやり考えているんですが。そうしたら選手は別に有名にならなくても、それなりに食べていけるようになって、現役を続けられる。
田中:為末さん、本当にそういう会社を作られたらどうですか? まさにスポーツ界とビジネス界の接点ですよ。両者がアクセスしやすくなる。
情報提供だけじゃなく、たとえば、講師や講演をしている人のデータベースってあるじゃないですか。そこに自分の情報を登録すると、いろんな人がそれを見て仕事を依頼する。そのスポーツ版みたいなのもアリですよね。個々のスポーツ選手の特殊スキルが登録されたものがズラーッと並んでいて、いろんな企業とマッチングできるような。
為末:うん、うん。
田中:ロコンドも靴のアドバイスが欲しいときは依頼させていただきます。
為末:ぜひ。水泳以外のスポーツは靴が必要なので、何かお役に立てたら(笑)。
田中:今日はお忙しい中、ありがとうございました。
為末:こちらこそ、すごく楽しかったです。
(構成:上田真緒、撮影:梅谷秀司)
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