カードゲーム「トランプ」意外と知らない基本 この薀蓄100章は思わず人に話したくなる

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61. フランスでは「1~10」の数札の次は、絵札の「ヴァレ(従者)」「ダーム(女王)」「ロワ(王)」と続く

62. また現在、日本で知られるトランプの絵札に継承されているのは16世紀にパリで誕生したデザインである

63. 当時のパリでは絵札に「実在」もしくは「伝説の人物」を当てはめるのが主流で、一枚一枚の人物が異なる

64. 「従者のハート」はジャンヌ・ダルクの戦友ラ・イル。「ダイヤ」はトロイの王子・エクトールがモデル

65. 「スペード」はカール大帝の騎士・オジェ、「クラブ」には『中世騎士物語』に登場するランスロが描かれた

66. 「女王」カードは「ハート」がユダヤの女戦士・ユディト。「ダイヤ」は『旧約聖書』のヤコブの長・ラケル

67. 「スペード」にはギリシャ神話に登場するトリトンの娘・パラスまたは戦いの女神アテナがあてられた

68. 「クラブ」には〈アルジーヌ〉という女性が描かれているが、これは〈女王〉を意味するラテン語のアナグラム

69. 「王」のカードで「ハート」を務めるのが中世のフランク国王・カール大帝である

70. 「ダイヤ」は古代ローマの軍人ジュリアス・シーザー、「スペード」には古代イスラエルのダビデ王

英米型の絵札カードには特定のモデルはいない

71. 「クラブ」にはギリシャ時代のマケドニア国王・アレキサンダー大王が描かれた

72. その後フランス型カードが英国に伝わり、パリ式の絵札デザインをモデルに誕生したのが「英米型」である

73. しかし一枚一枚にこだわったフランス型と異なり、英米型の絵札カードには特定のモデルはいない

74. 英米型のカードでは「1」は「A」となっており、なかでも「スペードのA」は中央に大きく絵柄が描かれる

スペードのA(写真:kasima / PIXTA)

75. 「スペードのA」はほかのスートに比べ凝ったデザインが施されたものが多く、カードの製作者も描かれる

76. これはイングランド王ジェームズ1世時代に端を発したもので、1628年英国政府はトランプに課税を開始

77. 結果、カードには1パッケージごとに税金がかけられ、その支払の証拠として「納税証明印」が押された

78. 当時、出荷の際には「スペードのA」がパックの一番表側に置かれる慣習があったため押印はそこにされた

79. 偽造を防ぐため印は複雑なデザインになっており、これが転移したのが現在の「スペードのA」マークである

80. 英国ではその後1960年8月4日まで「Stamp Act 1765」によりトランプは課税されていた

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