41. これらは「地方札」とも呼ばれるが、フィリピンでは112枚というものもありクワホというゲームに使用する
42. またカードに描かれているスートも地域ごとに異なり、最も古典的なのが「ラテン型」
43. イタリア、スペイン、ラテンアメリカで流通しているもので、スートは「剣」「カップ」「貨幣」「杖(棍棒)」
44. 欧州にカードが現れた当初の形式を保っており、ポルトガルから日本に最初に伝えられたのもこのタイプ
45. イタリアのカードは「1~10」で構成されるが、8~10は「歩兵」「騎士/馬」「王」の絵札となる
46. しかしイタリア北西部(ミラノ・ジェノヴァ・ピエモンテ州)とフィレンツェはフランス型スートを持つ
47. スペインのカードは「1~12」で構成されるが、10~12は「従者」「騎士/馬」「王」の絵札となる
48. 現在のトランプマークの基礎となる「ドイツ型」のスートは、「鈴」「心臓」「木の葉」「どんぐり」から成る
49. 数札では、「木の葉」と「どんぐり」は〈中央に生えた木から生まれた〉ように描かれている
50. そのため「9」「10」の場合、「鈴」と「心臓」は縦3列配置だが、「木の葉」「どんぐり」のみ配置が異なる
ドイツ、スイスでは?
51. ドイツ型の場合、エース(A)に相当するカードは「ダウス」と呼ばれるが、実はこれは「2」のことである
52. J・Q・Kに相当する絵札は、「ウンター(低ジャック)」「オーバー(高ジャック)」「ケーニヒ(王)」で構成
53. ドイツでは、「2~6」など低位のカードを使用しないで進行するゲームが多いといわれる
54. またドイツ型に近いスイスのカードの場合、そのスートは「鈴」「盾」「野ばら」「どんぐり」で構成される
55. スイスでは「2~5」のカードを使用しないゲームが多く、また「10」には旗が描かれ「バナー」と呼ばれる
56. 15世紀後半に誕生した「フランス型」。当初は多色印刷技術がなく、スートはステンシルを使用し手塗りした
57. そこでカード製造を容易にするためドイツ型スートのシンボルを極端に単純化し、色も赤と黒の単色に限定
58. ドイツの「鈴」はフランスで「♠」に単純化され、「心臓」は「♥」、「木の葉」は「♣」、「どんぐり」は「♦」に
59. こうして現在日本で知られるスートが誕生。17世紀にはプレス式製造機の発明で生産性が向上し販路拡大
60. フランス型のカードは英国にも広まっていくが、「フランス語」版は、「A」ではなく「1」から始まる
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