孫さんガッカリ?IoT普及阻む決定的な問題 ケヴィン・ケリー氏が斬る!

最大の課題は「バッテリーの寿命」
――先般、ソフトバンクが英ARMを3兆円強で買収しました。ソフトバンクの孫社長は、IoTが将来ビッグビジネスになると見ているようですが、ケヴィンさんはどうですか。
1998年、『ニューエコノミー勝者の条件』にもIoTについて書いたが、実現するのにこんなに時間がかかるとは思わなかった。今後、実現により近づくだろうが、革命的で破壊的な技術になるとは思わない。
ただ、モノ同士をネットでつなぐだけでなく、そこにAIの要素を足せば大きな技術革新になるだろう。確かにIoTの流れは不可避だと思うが、今回の本でもIoTについてはあまり触れていない。最大の課題はバッテリーの寿命だ。バッテリー技術は着実に向上してはいるが、私たちの予想を超えるほどに著しいとは言えず、すべてのモノが「ずっと」つながり合っている状態に行き着くには時間がかかるのではないか。たとえば、毎週土曜日の朝に家中のバッテリーを替えないといけないなんて考えられるかい?