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マンダム争奪戦、KKRも滑り込み参戦で創業家MBOが「マネーゲーム」に。旧村上系の介入経て4度のTOB延長でも成立見通せず暗中模索続く

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マンダムが12月15日に公表したプレスリリース。KKR参戦への抵抗感がにじむ(写真:編集部撮影)

12月15日午後3時半、男性用化粧品大手のマンダムが自社に対するTOB(株式公開買い付け)期間の延長を公表した。延長はこれで4度目。9月の公表当初は11月10日にも決着するはずだったMBO(経営陣による買収)は暗礁に乗り上げている。

マンダムをめぐっては、9月10日に創業家出身の現経営陣とPE(非公開株)ファンドのCVCキャピタル・パートナーズがTOBを発表した。会長の西村元延は創業者の孫、社長の西村健は5代目にあたる。

このMBOで提示されたTOB価格、1960円が「著しく割安」だとして旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンスや、村上世彰氏の娘の野村絢氏らが介入。結果的にCVCと創業家はTOB価格を当初の価格より28.6%高い2520円に引き上げた。

価格の引き上げと計3回の延長を経て、MBO側は旧村上ファンド系の投資会社ら強面の株主たちからの応募契約を取り付けた。12月18日のTOB期限を迎えればいよいよMBOは成立するとみられていた。ところが、12月10日にこれまでとはまったく別の提案が出されたことで、TOBは再度延長されることになった。

KKR参戦で「マネーゲーム」に

新たに買収提案を出したのが、アメリカの大手PEファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)だ。2800円以上のTOB価格を提案したとされるただし、この提案についてマンダム側は提案者や提案されているTOB価格など詳細を明らかにしていない。

それどころか、12月15日には「第三者候補者(KKR)から当社株式の非公開化に関する法的拘束力ある提案を実際に受領するか否かについては、現時点では明らかではない」と記したリリースを開示した。一体何が起きているのか。

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