日本企業へのサイバー攻撃が激化する真因とは? 国家も絡む"認知戦"に…米セキュリティ専門家「日本の状況は非常に怖い」

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Rapid7 Inc. チーフ サイエンティスト ラジ・サマニ氏 (Raj Samani)と、ラピッドセブン・ジャパン日本最高技術責任者 古川 勝也氏 (ふるかわ かつや)
右/Rapid7 Inc. チーフ サイエンティスト ラジ・サマニ氏 (Raj Samani)左/ラピッドセブン・ジャパン日本最高技術責任者 古川 勝也氏 (ふるかわ かつや)(写真:ラピッドセブン・ジャパン)

今年は、日本の大企業へのランサムウェア攻撃が続いた。なぜここまで被害が目立つようになったのか。「複数の国家が日本を標的としている」と話すのはアメリカを本拠地とするセキュリティベンダー・Rapid7のチーフ サイエンティストであるラジ・サマニ氏だ。日本企業を取り巻くサイバーリスクの現状について、話を聞いた。

世界中のサイバー攻撃者に狙われる日本

――まずグローバルおよび日本のサイバー脅威の状況について教えてください。

サマニ:私たちは世界中の犯罪組織、そしてAPT(高度な標的型)攻撃を追跡しています。それらを分析し、例えば脅威グループが展開しているキャンペーンと標的とする地域や業界など、判明した情報を定期レポートとして公開しています。

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そこから見えてきたことは、APTグループの一部が日本企業に標的を絞って攻撃しているということです。

ランサムウェア攻撃を得意とする非常に強力なグループも確認されています。しかも、複数の国家が日本を標的にしています。

また、サイバー攻撃の目的は、単に企業のIP(知的財産)や機密情報を盗み出すだけにとどまりません。今日、犯罪者たちは「認知戦」と呼ばれる領域にまで攻撃を拡大させています。

サイバーは陸、海、空、宇宙に続く「第5の戦場」と呼ばれていますが、現在は認知戦が「第6の戦場」とされています。

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