iPhoneの進化、立ち止まってはいなかった アップルが披露した「OS戦略」の全貌
イベントの冒頭、挨拶に立ったティム・クックCEOは、前日にフロリダ州オーランドのLGBTコミュニティで発生した50人以上が犠牲となった銃撃事件の犠牲者への黙祷を捧げた。クック氏率いるアップルや、他のテクノロジー企業は、多様性への取り組みを強化してきた。またサンフランシスコは、活発なLGBTコミュニティがあり、今回の事件は重く受け止められている。クック氏が、涙をにじませる場面も見られた。
インドにもサポート拠点を開設
アップルは、開発者コミュニティについて、「多様性」と「新人発掘」に注力している。アップルのOS上で動くアプリケーションを開発するエンジニアは世界で約1300万人おり、今回も5000人以上がWWDCに参加した。そのうち72%が初参加で、74カ国の人々が会場に集まった。
開発者コミュニティ自体も多様性が高まっている。新たにインドにアプリ開発サポート拠点を開設するなど、「これからiPhoneが売れる市場」に対して、開発者コミュニティを強化しながら、ユーザーを増やしていきたい考えだ。
加えて、若い開発者の育成にも力を入れる姿勢を示した。WWDCには、350人の学生を無償で招待しており、そのうち120人は18歳以下の参加者だ。また、iPadでSwift(スウィフト、iOS/OS Xのためのプログラミング言語)を学ぶことができる「Swift Playgrounds」アプリをリリースし、プログラミング教育分野に進出した。
すばらしいアプリを開発するデベロッパーを増やし、その国、その世代でのアップルユーザーを増やす、そんな戦略を再確認することができる基調講演となった。
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