iPhoneSEが「低価格化」で狙う果実とは何か その答えは中国市場にあった
アップルの最新スマートフォン「iPhone SE」は、iPhone 5sのデザインに、iPhone 6sの性能を盛り込んだモデルだ。初めてiPhoneを購入する人や大きな画面を好まないiPhone 5sユーザーにとって、価格の安さと高性能さを兼ね備えた、選びやすいデバイスと言える。
一方、すでにiPhone 6以降のモデルに慣れているユーザーにとっては、ディスプレーのサイズとクオリティから、満足感は得られにくい。
だが、実はiPhone SEには、ハイエンドモデルより重要な、アップルの新しい戦略が込められている。
通常の販売周期から外れたiPhoneSE
アップルが目指す新戦略については後述するが、その前にアップルがディスプレーサイズが4インチのSEを投入した意図をおさらいしておこう。
アップルは初代iPhoneを投入して以降、年間1機種ないし2機種を7月から9月に発売し、1年間継続して販売する、非常に単純な製品サイクルを堅持してきた。おそらく、4.7インチ、5.5インチモデルとその後継機種は、今後も9月発売を守っていくことになるだろう。
しかし3月発売のiPhone SEはそのサイクルを崩した。加えて、iPhone SEは、すべてのiPhoneユーザーもしくはアップルファンを相手にしている製品でもない。その点に対して、熱心なアップルファンほど、疑問の声を上げがちである点も事実だ。だが、そうした声が聞こえれば聞こえるほど、アップルにとっては狙い通りなのかも知れない。
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