新iPadPro、使って分かった「実力」と「限界」 「パソコンからの置き換え」は簡単ではない
アップルは3月31日、従来の12.9インチよりも小型となる9.7インチサイズのiPad Proを発売した。Wi-Fiモデルは32ギガバイト(GB)で599ドル(6万6800円)、128GBで749ドル(8万4800円)、256GBで849ドル(10万2800円)という価格展開だ。
ビジネスパーソンにとって気になるのは、このマシンがノートパソコンを置き換えられるのかどうか、だろう。結論を先に書くと、単純な置き換えは簡単ではない。
それは、なぜなのか。筆者は、Wi-Fiに加え携帯通信を使用できるセルラーモデルの256GBモデルを1週間試用してきたので、そのレビューを交えて詳述していきたい。
「新世代iPad」を印象付ける
iPad Pro 9.7インチモデルは、2015年11月にすでに発売されていた12.9インチのiPad Proの小型版のように見える。しかし、ただ小型化しただけでない。ここには新しいiPadの機能やデザインが盛り込まれた。
心臓部であるプロセッサは、12.9インチモデルと同じA9Xを、クロック(動作周波数)を落として搭載している。アップルはホームページ上にA7プロセッサとの比較をスペックシートの形で掲載しているが、処理能力の差(12.9インチがA7の2.5倍、9.7インチが2.4倍)以上に、グラフィックス性能の差のほうが大きい(A7と比べてそれぞれ5倍、4.3倍)。9.7インチのほうが若干劣ってはいるものの、それでも4Kビデオを3本同時に編集するだけの高い性能を備えている。
12.9インチモデルと同様に、本体にSmart Connectorを搭載。ここにカバー一体型のSmart Keyboardを接続し、ノートパソコンのような使い方ができる。ペン入力デバイスであるApple Pencilにも対応している。これらが付属品ではなくオプション扱いになっている点も変わっていない。
また、四隅にスピーカーを備えており、端末の向きに応じて自動的に左右のステレオや高音を出すポジションを変更してくれる点も、12.9インチモデルと同じだ。
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