新iPadPro、使って分かった「実力」と「限界」 「パソコンからの置き換え」は簡単ではない
それに対し、12.9インチモデルから進化した点は、ディスプレイとセルラーモデルのデザインである。
まず、ディスプレイ。アップルはiPad Proの9.7インチのディスプレイを紹介する際に、「Pro Display」という言葉を使った。iMac 27インチ、21.5インチモデルは、Retina 4K/5Kディスプレイとして、デジタルシネマ向けの色域である「DCI-P3」に準拠した色域の広さをアピールしてきた。iPad Proでは、この「P3」という言葉こそ使わなかったが、これまでのiPadと比較し、25%明るく、25%色域が広く、また40%反射を抑える仕様となっている。
ディスプレイには、さらなる新機能としてTrue Tone機能が搭載された。これは環境光を感知して、ディスプレイの色温度を調節する仕組み。例えば、白熱電球の下では白紙も黄色味を帯びるが、ディスプレイにも紙で起きることを再現してくれる。アップルは、True Tone機能について「よりナチュラルにディスプレイを楽しむことができる機能」と説明している。
もちろんこの機能のON・OFFは可能だが、iOS 9.3のブルーライトカットを目的とするNight Shift機能とともに、コンテンツの色を、環境や時間帯によって変化させる機能だ。
色再現にこだわるクリエイターは、これらの機能をOFFにして使うことになるだろう。とはいえ、多くのユーザーがONにして使用することが想定されるため、クリエイターにとっては、自分が意図した通りの色をユーザーが見なくなる可能性が高くなることを意味する。
気になるカメラの性能は?
カメラ性能は、iPhone 6s・iPhone SEと同じスペックだ。撮像素子は1200万画素で、4KビデオとLive Photosの撮影に対応している。また状況に応じて発光を変えるTrue Toneフラッシュも搭載されている。iPadは大きな画面でプレビューしながら撮影できる点は魅力だが、欠点は手振れを起こしやすいこと。しかし、光学手ぶれ補正は盛り込まれていないため、iPhone 6s Plusよりは下のグレードという位置づけだ。
ただ4Kビデオを撮影できる点は大きな利点だ。大画面を活用して現場で直接編集が行えるため、簡易的なビデオワークステーションとしての利用も期待できる。
次にセルラーモデルのデザインをみていこう。
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