iPhoneの進化、立ち止まってはいなかった アップルが披露した「OS戦略」の全貌
iOS 10の新機能は10のトピックに分けて披露されたが、その中で最も観衆の喝采を集めたのが、メッセージアプリの強化だ。
アップルはこれまで、端末間の暗号化を施すセキュリティを重視したテキストメッセージサービス「iMessage」を提供してきた。iOS 10の登場に合わせて、よりコミュニケーションを快適に楽しむことができる機能を取り入れた。
表現豊かになったiMessage
まずはリッチリンク。これまでiMessageにURLが張り付けられると、そのアドレスがリンクとして表示されるだけだったが、リッチリンクによって、URLの先のウェブサイトのタイトルやサムネイル画像をメッセージの中に表示できるようになった。Apple Musicのようなコンテンツが共有された場合は、メッセージから移動せず、そのスレッドの中で再生できる。
テキストの表現力も強化されている。文字のサイズやアニメーション、全画面のアニメーション効果など、単なる文字の吹き出しよりも豊かな表現力を獲得した。また手書きメッセージや、写真やビデオへの落書き機能も搭載された。
絵文字のサイズは3倍の大きさになり、書いた文章を絵文字に変換する機能も用意された。加えて、LINEのようなスタンプ(ステッカー)機能も用意され、クリエーターがiMessage向けにスタンプを販売することもできるようになった。
また、iMessage対応アプリを開発することもできるようになった。アニメGIFや自分のアバター作成アプリを取り込んだり、「Square Cash」のような送金アプリでメッセージの相手にお金を送るといった活用が可能となった。これらは、「Facebook Messenger」がプラットホーム化しようとしている部分である。
厳密にはiMessageが特別なプラットホーム化したわけではなく、前述のとおり、iPhone向けアプリの機能をiMessageの中に呼び出す仕組みが作られただけだ。しかし、だからこそ、新たなプラットホーム化が必要なLINEやFacebookよりも、ユーザーにも開発者にとっても、よりシンプルな活用ができるため、有利になる。
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