iPhoneの進化、立ち止まってはいなかった アップルが披露した「OS戦略」の全貌
アップルはスマートホーム向けのプラットホームである「HomeKit」を披露してから、長らく大きな動きがなかった。しかしiOS 10で、標準アプリに「Home」が追加され、HomeKitに対応したデバイスを包括的に管理することができる環境を整えた。
スマートホーム対応製品の立ち上がりを待つフェーズを長らく経験してきたことになるが、これは、アップルが、プラットホームとしてのモバイルデバイスとソフトウエア以外のデバイスに関与するつもりがないことの裏返しだ。
その点で、Nestを買収し、「Google Home」(関連記事)というデバイスをリリースしたグーグルとは異なる立場を取っている。アップルは基本的な体験を提供するが、そこから先は、デバイスやアプリなどの開発者がいなければ、ライフスタイルを作り出すことができない、というアイデアが共有されている。
スマートホームの場合、これまで、ガレージのドア、空調用サーモスタット、ドアの鍵、自動カーテン、セキュリティシステム、ライトなどに対応してきたが、新たにセキュリティカメラ、ドアホン、空気清浄機、加湿器をサポートした。家にまつわるより多くのオートメーションをサポートし、満を持しての「Home」アプリの登場である。
Homeアプリでは、対応している個別のデバイスのコントロールに加えて、朝、夜といったシーンを作ることができる。すなわち、別々に存在しているデバイスを一括設定するためのプリセットだ。部屋を設定したり、時間によって自動的に作動させるコントロールもできる。
HomeKitデバイスを包括管理できるHomeアプリの登場に加えて、Siriやアップル TVの活用も可能となった。
たとえばSiriに「おはよう」と話しかけると、朝のプリセットを起動し、ライトをつけ、カーテンを開けてくれる。また、家族全員が出かけていて、家にモバイルのiOSデバイスがなくても、Apple TVがハブとなり、HomeKitデバイスのコントロールをサポートする。家から1キロ以内まで帰ってきたら、家の電気をつけ、空調をオンにする、といった設定も可能となる。
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