マクドナルド・原田社長、神話の終焉か 7期ぶり営業減益で問われる真価

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1月の既存店売上高も2ケタ減と出足低調

マクドナルドは今13年12月期を売上高2695億円(前期比8.6%減)、営業利益252億円(同1.7%増)とFC化や閉店の推進により減収ながらも増益を目指すと打ち出した。前提となる既存店売上高は99%~101%、出退店に関しては前期に決めた100店超の戦略閉店により大幅な店舗純減を見込む。

しかし既存店浮揚策の切り札として1月に実施した、商品を60秒以内に提供できればコーヒー無料券、できなかったらビッグマックなどの無料券を配る「ENJOY!60秒サービス」キャンペーンにもかかわらず、1月の既存店売上高は83%と空振り。その後実施するマーケティングキャンペーンも、過去のヒット商品をそろえた「ビッグアメリカオールスターズ」や、相変わらず無料配布に頼った「フリーマンデー」など精彩を欠く。

決算説明会の場で原田社長は、「13年1~3月期の既存店はマイナス。3月から回復していって、13年4~6月期以降は季節限定メニューや売れ筋メニューを投入することで既存店はプラスに転じる。確実に数字をとれるものだけを積み上げる」と根拠を説明する。

確かに夏場の数字は低かったし、前半は猛烈なディスカウントプロモーションで集客を図った。その影響がなくなるだけで、既存店売上高が増収に転じる保証はない。この見通しに対し、あるアナリストは「希望的観測だ」と評価し、業界誌の記者も「昨年夏は反動減で失敗したばかり。既存店浮揚策としては根拠が薄い」とさんざんな評価だ。

また、仮に今13年12月期を従来型の無料クーポン券の配布やFC転換の推進で乗り切ったとしても、14年、15年には連続消費増税という厚い壁が待ち構える。再び高成長路線に復帰できるかどうか。今後、数年で原田社長の真価が本当に問われることになる。

(撮影:尾形 文繁)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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