リクルート”最強の母”の、脱・出世戦略 育休明けの3段階降格、それがどうした!

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育休復帰後の降格を知り、大暴れ

育児休暇を取得した女性は、復帰の段階で、「職場に私の居場所はまだあるだろうか」と悩みがちだ。ところが、堂薗さんは第1子の育休明けのとき自信満々、威風堂々、だったと言う。

「みんな、私がいなくて大変だっただろうな。私の帰りを待っているだろうなと、信じていました」

そう思うのも、無理からぬことだった。もともと姉御肌の堂薗さんにとって、マネジャーの仕事はいわば天職。

「目標を設定し、戦略、戦術を決め、仲間をひとつの方向に誘導し、組織と個人が育っていくのを実感できる仕事がすごく好きだし、メンバーも慕ってくれていると思っていました」

育休直前は、リクルート社内の営業部隊と、業務委託の営業チーム、さらにクライアントである派遣会社の派遣登録者の動員部隊と3つの部署の組織長として活躍し、マネジャーの中でも中級マネジャーに昇格したばかりでもあった。

しかし、いざ復帰してみると、待ち受けていたのはリーダー職への降格。

「アレッ、みたいな。そのうち怒りがこみあげてきて、暴れましたね(笑)。大好きなマネジメントの仕事を取り上げられたのも、格下げも嫌でした。すぐさま、育休取得時の上司に電話して『辞めることも含めて検討します』と伝えました」

ボスはさぞや焦ったのだろう。プレー中のゴルフを中断して2時間後には、駆けつけてくれたそうだ。だが、上司は決して「甘い一言」を言いに来たのではなかった。

環境で、パフォーマンスが変わるのはどうなの?

この上司が堂薗さんに言ったのは、「まぁ、1回配属されてみろ」との言葉。こんな事も言われた。

「お前の弱みは、環境要因でパフォーマンスが変わること。人事や上司、お客さんとの相性なんかで、モチベーションがころころ変わるのは、リーダーシップを発揮する人間としてどうなの?」

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