デキない人はプレゼンのやり方がグダグダだ 本当に伝わる仕掛けは選挙論戦から学べ

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ただ、いきなりそれだけを伝えると、突然のことに聞き手には命令のように聞こえたり、考えの整理が追いつかなかったりする状態になってしまいます。こうならないためには、聞き手が判断できるための思考のプロセス(順序)をサポートしてあげる必要があります。ここで活躍するのがパワーポイントのスライドです。ポイントは2つです。

思考のプロセスをサポートする

①最初にゴールを伝える

プレゼンの冒頭でゴール(目的)を説明するようにします。これは聞き手にもプレゼンのゴールを認識させることにより思考を迷子にさせないためです。ネタバレするからとゴールを隠してプレゼンを進行させてしまいたくなりますが、これはNG。ゴールがわからないと、聞き手は内容よりゴールを推測することに一生懸命になってしまうため、伝わることも伝わらなくなってしまいます。どこかに行くときもそうですが、目的地を告げられずゴールがわからない状態では不安になってしまいます。これでは聞き手との同調は生まれません。聞き手ともプレゼンのゴールを共有することこそ、成功の法則なのです。

②話の展開を共有する。

ゴールを冒頭で伝えたからといって安心してはいけません。プレゼンが進行していくと、コンテンツごとにプレゼンの強弱が出たり、時には話が横道にそれてしまったりすることがあります。これでは聞き手も展開を把握することができず集中することができません。

そこでおすすめするのがプレゼンの冒頭でゴールと合わせてアジェンダ(議題)を説明することと資料に項番・項目を表記すること。このスライドが何のことを説明しているか簡単にわかるようにしておきます。

『伝わるプレゼン資料作成 成功の実践法則50』(ソーテック)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ホームページには「パンくずリスト」といって表示されているコンテンツがホームページのどの部分にあたるのかが簡単にわかるようにする仕組みがあります。プレゼンスライドでも同じこと。今のスライドがどの項目のどこにあたるのかを聞き手が容易に把握できるようにしておくことで聞き手を迷子にすることがないようにするのです。

場の雰囲気を整え、仮想敵を絡めたゴールを聞き手に認識させ、プレゼンの展開をしっかりとわかりやすく伝えることで思考のプロセスを補助しながらゴールに向かわせ、最後に聞き手にして欲しいことをはっきりと伝える。 これこそが聞き手を味方に変えるプレゼンテクニックだといえます。こんな目線で選挙戦を眺めてみると、今まで気づかなかった候補者の意図が見えてくるかもしれません。

木村 博史 クリエイティブ・ディレクター

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きむら ひろふみ / Hiroshi Kimura

龍谷大学法学部卒業後、損害保険会社にて保険引受業務、自動車保険開発業務に従事。現在は広告制作会社インプリメント株式会社取締役社長兼クリエイティブ・ディレクター。取引先は企業規模や業種を問わず多岐にわたるが、独立後も多くの保険会社や共済にて募集ツール、映像制作など様々な面から保険に携わる。著書『人を動かす言葉の仕組み』(KADOKAWA)、『YouTube成功の実践法則53』(ソーテック社)

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