若者にワークライフバランスなんていらない

城繁幸氏と考える「日本に依存しないキャリア」(中)

若いころは「ワークバランス」ではなく、「ワークワーク」が当然

ムーギー:ユニクロの内実について私は存じ上げないので個別企業に関して申すつもりはないのですが、一般論としてワークライフバランスを求めている人がちょっと甘いなと思うのは、私も今でこそワークライフバランスが昔よりそこそこよくなっていますけど、そこに至るまでは、やっぱりもうワークワークだらけでしたよ。

大学卒業後に最初に勤めた投資銀行やその後のコンサルティングファーム時代なんて、毎日、朝の8時から夜中の2時まで、ずっと休みもなく働いていましたからね。でも、そうした時期があったからこそ、キャリアとスキルのベースがしっかりして、働く国や会社の文脈から抜け出ても働けるようになれるわけじゃないですか。

そうしてファイナンスのキャリアやコンサルティングのキャリアに、香港やシンガポールでの経験や人脈をくっつけることによって、参入障壁が上がって、競争相手の数がちょっと減ってくる。すると、どんぐりの背比べの戦いから抜け出すことができて、以下は私のことではないのですが、給料は上がるし、面白い仕事のオファーは来るし、死ぬほど働かなくていいし、というサイクルに入っていくわけです。

:それはありますね。以前、某キー局のプロデューサーとブラック企業問題について話していたとき、最後に「でも、考えてみればうちもバリバリのブラック企業なんですよね」と言っていた(笑)。

ムーギー:それなのに、今の新卒の学生で緊張感のない人は、「どれだけ休みがあるんですか?」とか、「ワークライフバランスが充実していますか?」とか質問してくるんですが、そんなことを気にしている時点でダメですよ。

:確かに僕も今39歳だけど、同じ世代の連中を見ていて、ワークライフバランス実現してる奴は、だいたい20代に超ブラック職場で働いていた人が多い。20代に必死に働いて、ある程度のポジションを得たり、おカネを貯めて事業をやったりして、今になってワークライフバランスを実現できている。逆に、20代にしっかり働いていない奴は、今一番ワークライフバランスがない気がする。

ムーギー:そうなんですよ。だから、「俺だからこそできる」という仕事があって、初めて市場から自分への需要が積み上がり、ある程度ラクに稼ぐことができるようになるわけです。

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