「激務」でも将来につながるなら受けて立とう 「あれもこれも」と理想を求めるのは間違い

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そもそも簡単な仕事なんて世の中にありませんし、激務をこなさないとならないシーンはどんな仕事でもありえることでしょう。ですから、そこによい面があると自分で信じられるか否かの見極めが重要なのです。

反対に仕事を通じて成長ができないと自分が感じているのに、時間をやたらとかけることは可能なかぎり避けるべきと考えます。

人がみな持っている時間は24時間で平等ですが、どの時間をどう使うかは個々人次第です。時間を有効活用できればそれだけプラスになりますが、時間を非効率的に使うならプラスは望めません。前者は自分の時間を「投資する行為」ですが、後者は時間を「浪費する行為」です。そして何事も浪費にプラスがないのはご存じのとおりです。

したがって、問うべきは「残業が多く休みが少ない仕事を耐えて継続するか否か」ではなく、「今の仕事は耐えて続ける価値があるか否か」です。
そして仕事を考える際に頭でうだうだ考えるよりも、飛び込んで経験をしてみないとわからないという考えをREDさんはお持ちとのこと。人により考えはそれぞれでしょうから、そのこと自体の論評はここではしません。

しかし、その考えに基づきますと、やるべきは飛び込むという行為自体ではなく、飛び込んだ結果として、その仕事が自分に合っているか否かを見極める、という行為であるべきです。少なくとも、そういった方針をREDさんとして明確に持っているべきです。飛び込むことが重要なのではなく、その後が重要なのです。

そのように考えますと、現在の仕事がはたして自分に合っているのか、時間を投入するに値する仕事か否か、という先ほどの話につなげやすいでしょう。

「あれもこれも」ではなく、優先順位づけが大切

そして最後にもうひとつ。理想とする仕事はどこかに落ちているものではありません。自分で仕事を理想に近いものにするのだという気概が大切です。そしてその際には「あれもこれも」ではいけませんから、自分に合った仕事を見極めるにあたっての優先順位づけが大切です。当然、年齢や経験によって、この優先順位も変わってくるでしょう。

たとえば若い頃は、「激務でも成長できるか否か」が優先順位の上位だとしても、自分の成長に合わせて「自分の時間を確保できる」という要素が上位にくることだってあります。

いずれにせよ、数ある要素の中に優先順位をつけ、理想に近い仕事、自分に合った仕事を探すべきなのです。そして優先順位の高い事項がその仕事を通じて成し遂げられるか否か、アップサイドがあるか否かが見極めるにあたってのポイントなのです。

現在のREDさんにとって、仕事をする際の優先順位の最高位は何でしょうか? そんなことを考えると、現在の仕事を継続するか否か、そして転職するとしたらどんな仕事がよいのかが見えてくるでしょう。

REDさんがご自身に合う仕事に巡り合えることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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