序盤戦以降の就活に臨むにあたって大事なことは、自分を偽らずに、自分らしさや本音を隠さないことです。私自身、自社の採用活動を手伝うことがよくあるのですが、学生の面接をしていると「どうやったら内定がとれますか?」と相談されることがしばしばあります。
確かに就活には「どう伝えるか」や「どう見せるか」といったテクニック的な要素も多少はありますが、そうしたテクニックに走るよりも、自分の素直な気持ちや考え方、大切にしていることを自分の言葉で語れるようにしておくことのほうが大切です。
夏以降の就活においては、内定が取れない焦りから、無意識のうちに相手にあわせて自分を演出してしまうことがあります。その気持ちはよくわかりますが、内定を期待して己を偽り、企業に合わせた自分を演出してしまうと、本人、採用した企業の双方にとって不幸な結果を招くことになりかねません。
よくあるのが、自分の心の声は「ここ(企業)は何か違うなあ」とわかっているのに、「内定をもらえそうだから」「大手だから」「知っている企業(の関連会社)だから」などの理由で内定を決め、入社後の早い段階で「こんなはずでは……」となるケースです。
企業選びの軸を自分の本音と照らし合わせる
すべての学生に対して「石の上にも3年」とまで、画一的なアドバイスをするつもりはありませんが、新人時代という人生でも一度しかない貴重な時期に、仕事に前向きに取り組めないのは、もったいないというほかありません。
自分の価値観や志向が会社とマッチしているからこそ、仕事を通じて成長することが出来るのです。自分の価値観や志向を二の次にしていては、入社しても自分が本来成し得たかったことは実現できないでしょう。
学生は、「自分は何を大切にしていて、その企業で何を成し得たいのか」といった中期的な視点で、自分に偽ることなく就活に取り組んだ方がいいのです。この時期だからこそ、企業選びの軸を自分の本音と照らし合わせて明確にするべきです。
同時に、企業の側にも、「実のところどういう会社なのか」「どういう人材を大切にしている会社なのか」といった「本音をベースにした情報提供」が求められています。
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