一方、日本は貿易立国であり、資源はなくても優秀な人材による技術立国を達成し付加価値を生み出した。その結果、世界でも最大の貿易黒字を記録、世界でもまれな国際化を推進した。ところが情報化時代が到来し、何でも世界標準に合わせなくてはならないようなな雰囲気の中で、グローバル経済に左右されるようになってからは徐々に日本の強みが発揮できなくなってきた。「モノ作り」は得意だったが「システム構築」はアメリカの物真似になってしまったようにも思われる。
日本にとってグローバル化は損か得か?
とはいえ、日本の悪いところばかりをあげつらえばきりがない。経済指標の世界比較をみる限り、日本は、いわれるほどは悪くはない!
1人当たりGDPでも英国やフランス、ドイツなどと比べてもそん色はない。自然環境や、社会保険制度も失業率も、他の国よりは、よほどましだといえる。それでも中国や韓国などのような、日本よりも不平等の度合いが大きい国家に移住したいと思う人はいないだろう。
単純に、日本がシンガポール型のグローバル化を進めるのが一概にいいとは思えない。シンガポールにはシンガポールの良いところがあるし、日本には日本の良い部分が沢山ある。貿易立国で発展してきた日本が良い意味でのグローバル化を進めるのは良いことであるが、古い伝統や歴史を破壊してしまっては、日本の良さが生きてこない。バランスのとれた経済発展が望まれるゆえんである。
資源を扱う多国籍企業が地球上で最も活動しやすい場所がシンガポールであるのなら、国益を代表する日本の大手商社がシンガポールに移転することは大いに結構なことだ。大いに利益を上げて日本の次世代の雇用を満たすためにも利益送金で貢献すればよいだけのはなしである。
ただ、税制面で日本の若い世代が割を食っていることも事実だから、成功体験が出来るような日本社会にまず、変革していかないと未来がない。グローバル化の意味をはき違えず、内外のバランスを考えて2013年は国民が一丸となって本来の日本らしさを発揮していきたいものだ。
次回は日本経済のあるべき姿、あるべき国際化を書いてみたい。
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