夏野剛(上)「オタクが100人のエリートに勝つ」 IT・ネットが変えた個人と組織の関係

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社内に人脈があると言うけど、そんなものは能力があれば、WINーWINなんですよ。「アイツのことを昔から知ってる」っていうのはプラスにならないです。むしろ知りすぎてて、めんどくさい。くだらない情報ばっかりくっついているワケです。「5年前に俺の顔に泥を塗った」とか。くだらない。みんな同じ井戸の中で、井の中の蛙方式になっているから。外界で戦わないで井の中でゴチャゴチャちっちゃい戦いやっている。まったく生産性がない戦い。これがニッポンの組織です。

業界という壁が潰れた

――組織を現場から変えていけるでしょうか。

上から出ないと方向性が定まらない。ボトムアップではもうダメなんです。なぜかというと業界という壁がボロボロ潰れちゃった。どんな企業でも選択肢が多すぎる。ボトムアップをすると戦力の逐次投入になって、どこにも集中と選択ができなくなる。上からイノベーションを起こして、そこに資源を集中できると何か新しいものが生まれる。

今の大企業のやり方って、どの大企業も総合生活産業とかいって、あらゆるものに手を出すでしょ。技術的には出せるんですよ。ところがリソースが分散する。ヒトとカネが。全部中途半端で一つもうまくいかない。

※インタビュー後編はこちら

(撮影:梅谷 秀司)

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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